文学フリマ東京39

文学フリマ東京39に出店します。
前回同様、小説家を目指す僕と、日本語学が専門の研究者の先輩、そしてフランス文学が専門で現在フランスに留学中(博士課程)の友人の三人で冊子を作りました。
このページでは冊子冒頭の「はじめに」を特別公開!
冊子の全体像がわかっていただけると思います。
はじめに
『GO TO LITERATURE 2』をお手に取っていただき、ありがとうございます。
この冊子は文学フリマ東京39へ出店するために、小説の創作や文学研究を生業とする三名がそれぞれ文章を執筆し、一冊にまとめたものです。前回の文学フリマ東京38に引き続き二回目の出店となります。
執筆者は小説家を目指している私横尾と、私の大学院時代の先輩で言語学者のめんま氏、そして私の高校時代の友人で現在フランスに留学中(博士課程)のうし氏の三名です。(三名の詳細と出会いのエピソードにつきましては前回の冊子でご紹介しましたので、ここでは割愛させていただきます)
前回は三人別々のものを書きながら、冊子全体として統一したコンセプトを持つことを意識しました。ただ反面、それが縛りになってしまった部分もあり、各々が自由に書いたとは言い切れないものとなってしまいました。
今回はその反省を活かし、今書きたいものを書いてもらいました。小説が二編(短編一、中編一)、評論が一編、コラムが三編収められています。
うし氏の短編は「私」がこれまでに出会った変わった人々との記憶を、「足」をキーワードに追想する作品。うし氏の人柄がにじみ出る好ましい一作になっています。
横尾の中編はひょんなことからシェアハウスをすることになった男女三人が、土地の歴史を紐解き、現在と過去、そして日本と世界を結んで生きていく作品。タップダンサーである主人公のダンスシーンは必読です。
めんま氏の評論はライトノベルに特徴的な直喩表現を分析したもの。文学ジャンルが違えば表現も異なり、その価値体系も異なるということがよくわかる一遍になっています。
コラムではそれぞれが最近読んで感銘を受けた本、おすすめの本、布教したい本を紹介しています。本編の箸休めにお読みください。
文学フリマ東京39のブースは約二六〇〇。これだけ膨大な数の中から本冊子をお手に取って頂いたのも何かの縁です。我々三人の表現と思考が皆様の感性に何かをうったえ、考えるヒントになれば幸いです。
二〇二四年一二月一日
横尾圭祐